目次
序章：問題のツイートが波紋を広げた夜
2025年11月27日夜、でびでび・でびるのX（旧Twitter）アカウントで、「まだ朝7時に通勤してるんですか？」という問いかけを皮切りに、「7〜8時の通勤電車は“めちゃくちゃ勿体ない”」「今は朝10時が常識なんです」といった主張を含む一連の連投が行われた。
この投稿が、社会人やフリーターなど通勤を余儀なくされている人々を侮辱あるいは軽視するような言動だと受け止められ、瞬く間にネット上で批判と議論が拡大。
以後、「炎上」と呼ばれる事態につながった。
この記事では、なぜこの発言が問題になったのか、経緯、反応、そして示唆するものを整理する。
１章：「朝7時通勤」発言の内容――何が書かれていたのか
でびでび・でびるの投稿内容は、以下のようなものだった。
- 「まだ朝7時に通勤してるんですか？」という問いかけ。
- 7〜8時の満員電車で通勤することを、「めちゃくちゃ勿体ない」と断言。
- 「今は朝10時が常識」として、朝の“通勤ラッシュ時代”を否定。
- 「朝に体力を奪われるとパフォーマンスが落ちる」「10時通勤のほうが人生が変わる」といった言葉で、ライフスタイルの見直しを提案。
投稿は「働き方／ライフスタイル論」の装いをしていたが、その言葉の選び方と断定口調が、「通勤する人」を対象にした一種の煽り、あるいは侮蔑に聞こえるとして、多くの人の反感を買った。
２章：なぜ炎上したのか――批判の核心
この投稿が問題視された背景には、いくつか重い理由がある。
多くの人にとって、朝7時通勤は生活の一部であり、選択ではなく必然にも関わらず「勿体ない」「常識は10時」などと断じられたことで、「自分たちの生き方を否定された」「ライフスタイルを見下された」という感覚を抱く人が多かった。
日本では多様な働き方や事情を抱える人がおり、朝7時通勤しか選べない人も数多い。
そうした事情を無視し、「10時が常識」と一律化する言い方は、社会の格差や事情の多様性を踏まえていない、という批判があがった。
でびでび・でびるは人気VTuberであり、フォロワー岐の多さや発信力の強さから、言葉の拡散力は大きい。
だからこそ、軽い気持ちでの発言でも、多くの人に届き、誤解や憤りを生みやすい。
発信者としての責任が問われる状況だった。
３章：批判の嵐とネットでの反響
この投稿に対して、SNSやネット掲示板では以下のような反応が多数あった。
- 「朝7時通勤してる人をバカにしている」「自分の身勝手な価値観を押し付けるな」といった批判。
- 「この発言を支持するのはごく一部。大半は生活の事情や通勤を強いられている人ばかり」との指摘。
- 一方で、「配信者だからこそ、自由な発言があっていい」「ネタ・ジョークのつもりだったのでは？」とする擁護の声もあった。
- 「投げ銭やグッズで大きく稼いでいる人が、こういうジョークを言うべきではない」という冷静な声。
しかし、擁護派も含め、「発言の意図」と「受け手の事情や背景」のギャップがこの騒動を大きくした、という見方が強い。
このようにして、「ただの働き方提案」を超えて、「社会や職業、生活格差に対する言及」へと議論の軸が移っていった。
４章：経緯の時系列――投稿から謝罪まで
複数の報道・まとめサイトによれば、今回の炎上の流れはおおよそ次のように整理されている。
- 2025年11月27日夜 — でびでび・でびるの一連のツイート投稿。
- 11月28日〜29日 — 投稿直後に批判が急拡大し、SNSだけでなく、まとめサイトやニュースブログも取り上げ始める。
- 11月29日 — でびでび・でびるがYouTubeで「当時の投稿は、別の“朝型ライフ”を主張する投稿に対するリアクション・ネタだった」と説明し、意図が誤解されたことを認め、言葉遣いのまずさを謝罪。
- 12月2日 — さらに改めて謝罪コメントを発表したが、「十分な反省とは受け取れない」「言葉の重みを理解していない」といった批判も根強く残る。
- その後 — ネットでは今回の炎上が「VTuberと社会」「配信者の言論と倫理」「職業差別と価値観」など、多くのテーマを巻き込んだ議論へと広がっていった。
５章：なぜ「ネタ」でも許されなかったか――文化と配慮のズレ
でびでび・でびるは後に、「別の投稿への反応としてのジョーク／ネタだった」と釈明した。
しかし、なぜそれでも許されなかったのか。
その背景には、以下のような問題がある。
・文字だけのSNSでは“文脈”が伝わらない
配信やライブならともかく、文字投稿ではトーン、冗談か真意か、前後関係などが伝わりづらい。
ジョークめいた投稿も、受け手によっては真剣に受け止められる危険がある。
・多様な事情を抱える人々への配慮の欠如
「通勤＝悪」「朝7時通勤＝損」「朝10時が常識」といった言説は、通勤を余儀なくされる人たちの事情（労働時間、シフト、子育て、経済状況など）と乖離している。
ライフスタイルの押し付け、あるいは価値観の押しつけと受け取られやすい。
・インフルエンサーとしての“言葉の重さ”の軽視
人気VTuberの発言は、多くの人に影響を与える。
だからこそ、軽い冗談でも「言葉の責任」を伴う。
軽率な発言は、ファンだけでなく社会全体に誤解や反感を生む可能性がある。
この事件は、「単なる炎上騒ぎ」ではなく、配信者／インフルエンサーとしての発言の責任、受け手の多様性への配慮、そしてインターネット文化の限界を改めて浮き彫りにした。
終章：炎上が残す教訓――言葉と社会、そして配信者の責任
でびでび・でびるの「朝7時通勤」発言炎上は、一見「ライフスタイル提案」のように始まった。
だが、社会を構成する多様な人々の事情を含めると、その発言は軽率で、配慮を欠くものだった。
インターネットが普及し、発信と拡散の速度が加速した今――
言葉は瞬時に広がり、多くの人に届く。
その影響力を持つ者なら、たとえジョークであっても、言葉の選び方、使い方、配慮を常に意識しなければならない。
今回の出来事は、VTuberという一ジャンルだけの問題ではなく、現代の情報社会 ― ネット時代 ― に生きるすべての発信者と受け手にとっての教訓だ。
「自由な表現」と「社会への配慮」は、両立する。
それを忘れたとき、信頼は簡単に壊れる。
でびでび・でびるの発言と、その後の反応を通じて、私たちはあらためてこの現実を見つめ直す必要があるのかもしれない。
コメント